10/7(土)『エルネスト』公開記念舞台挨拶
TOHOシネマズ新宿 12:00〜の回上映後
登壇者:オダギリジョー、阪本順治監督

MCは伊藤さとりさん。

オダギリ:どうも、おはようございます。オダギリです。初日から足を運んで頂いてありがとうございます。(←初日は昨日でしたが笑)
えぇ〜この間、ある俳優の先輩からお褒めの言葉をいただいたんですけど、こういう作品をお前がやることに意味がある、いつも挑戦してくれて嬉しい、今後もそういう作品がたくさん作られるようにお前が引っ張っていけ、と ありがたい言葉をいただきました。
僕としてもこういう意義のある作品に関わることがとても嬉しいですし、こういう作品に呼んでいただけることは役者冥利に尽きますし、感謝しています。

(MCの方の方を向いて)‥ま、そんなとこですかね?(会場クスクス)

いい挨拶をしていたのに〜(笑)

永山さん:今日はありがとうございます。今日はいろんな映画が公開されておめでたいことです(笑)
(そんな中この作品は)阪本監督がゲバラの映画を作って、主演がオダギリさん‥ここにいる皆さんは正しいです。僕も(お客さんだったら)この映画を観に来ます。

お兄さんの瑛太さんはもの静かな印象がありますが、永山絢斗さんもとても控えめな感じで話される方でした。

(阪本監督は最初に何か「気に入った場面がある」というような話をされていましたがメモが取れず‥^^;)
阪本監督:他のメディアで喋ってないことをひとつ。実はこの映画、高倉健さんに感謝することがあるんです。2013年に手紙と電話を頂いて、脚本を書かないかと誘っていただいて、監督じゃなくて脚本なんですけど、国とか国籍とか人種とかの話をして、それをヒントに登場人物に日系移民を登場させようということになったんです。それで日系移民を探っていってフレディ前村ウルタードのことを知りました。
その企画は無くなってしまったんですが、高倉さんの言葉がなかったら、僕はフレディについて知ることもなかったし、そもそもこの作品は無かった。
直接高倉さんに関係があるわけではないですけど、きっかけを作っていただいて感謝しています。

流れは忘れましたが、監督がお話の最後にお客さんに向かって「(オダギリ&永山さんの)この二人は面白いからトークを楽しんで帰って」と言い、オダギリは下を向いて笑っている‥というシーンがありました(笑)

<撮影現場を振り返って>


オダギリ:えっとそうですね。僕も高倉さんに感謝したいことがありまして‥‥誕生日が一緒なんです(笑)

永山さん、その話を聞きながらニコニコ(笑)

オダギリ:キューバについては、キューバの人の優しさ、無邪気さ、ピュアさがずっと残っていて。
資本主義で生活しているとお金中心で物事が回っていますけど、それとは全く違う価値観で社会は動いていて、いろいろ考えさせられるというか。。
映画も日本の映画に参加する、ではなくて、共に自分たちの映画として全力で頑張ってくれましたし、スタッフ、キャストに感謝の気持ちでいっぱいですね。


<続けて、チェ・ゲバラを演じたホアンさんについて訊かれ‥>

オダギリ:まだ来ますかぁ〜?!(笑)
みんなの一番知りたいことはホアンがいくつかということでしょう?
(となぜか勝手に決めつける笑)
彼は28歳です。(会場からはまんまと!?『えーーー』というどよめき笑)
とっても真面目で、とっても俳優として真摯な姿勢で向かおうとしていて、キューバにもこんな俳優さんがいるんだという俳優さんでしたね。とっても物静かな方です。

永山さん:僕は撮影は3日間だけだったんですけど、濃厚な3日間、楽しかったです。
一緒に仕事をしたいと思っていた阪本監督の現場ということですごく緊張しましたけど、どのシーンも綺麗で、現場にいるのが楽しかったですね。
現場で監督がいろいろやっているのを見て、やはり
(思っていた通り)カッコいい男だったなと。

阪本監督:(永山さんの話は)だいぶ飯を奢ってますから(笑)
二十代の俳優さんを全然知らなくて、でもお兄ちゃん(瑛太さん)は知っていて。
お兄ちゃんより顔つきが昭和でしょ?(笑) 今の若者だとなかなか1950年代の役ができる俳優はいないから。
彼は素晴らしいですよ。スマホをガラケーに戻したんですよ。(昭和の役作りのために、だそう)

あと、ところどころのキーワードしか残せていないのですが、「海外での撮影は5か国め」「キューバの照明さんは日本と同じで先発して仕事をしていてくれるから、その分必要なことがやれる。日本の現場と同じで嬉しかった」「毎日1人1人と『チュー』の挨拶で時間がかかったりとラテンのノリではあるけれど」というような話をされていました。

阪本監督:海外いろいろありますよ。気絶したこともありますし^^;

でも、「監督もオダギリも海外の経験がある」し、「マンパワーの国だからキューバ人は無いなら作ろうとなる」、「彼らの力を借りて何も諦めずにできるんだという気持ち」「ずっとべランダで(オダギリと)飲んでました」というお話などもありました。

<3人がそれぞれ25,26歳だった頃>

ここで、25歳で亡くなったオダギリ演じるフレディ、26歳という設定だった永山さん演じる森記者、そして劇中の「見果てぬ夢を見て何が悪い?」というセリフにちなんで、3人の25,26歳の頃を振り返り、どんな目標があったかなど、各自選んだ写真(パネル)を持ってのお話コーナー
パネルは後ろのスクリーンにも映し出されたのですが、オダギリは「アカルイミライ」から有名なクラゲの水槽を見ているシーン。
なぜかプライベートな写真が出てくると思い込んでいた私は『あれ?』と一瞬思ったものの、思い入れのある『アカルイミライ』とオダギリのツーショット??が見られたことにジワジワと感動‥。

オダギリ:『アカルイミライ』をやったのが25、26歳ですね。
初めて主演の映画をやらせてもらったので、ほんとに気合いが入りまくっていて‥共演が浅野忠信さんだし、藤竜也さんだし、黒沢清監督だし。この作品で失敗したら役者人生先はないぞというくらいに思っていたので、とにかく全力で、黒沢監督から「オダギリさん、そんなに芝居しないでください」って全シーンで言われました(笑)


「全力」ととても気合いを入れて言っていたので、きっと「芝居しないで」と言われた話をするんだろうなと思ったらやはりそうでした(笑)
今や浅野さんとも肩を並べ、藤さんとも再共演したりしているオダギリですが、この頃は『凄い人達と共演するんだ‥!』と私も本当に驚いたし嬉しかった。。
オダギリ、覗き込むようにパネルの端っこを指差して、(ほんの少し写っている)この脚は浅野さんですね(笑)」
わざわざそんなことを教えるように言ったオダギリにちょっと嬉しくなりました‥*^^*

<当時と今の目標を訊かれて>

オダギリ:スティーブ・ブシェミみたいに、こだわりのある監督と何本も続けてある世界観を作っていく仕事がしたいと思ってましたね。
でもちょっとズレて、主演をやるような大した人に‥
(周囲の反応を伺うようにきょろっとして)ハハハ!自分で言うなみたいなねぇ(笑)
スティーブ・ブシェミ的な個性的な脇役をする俳優を目指していましたね。

<今の目標は?>

オダギリ:今ですか〜
昨日今日のネットニュースの
(「仕事をしないで遊んで暮らしたい」というようなインタビューの)トピックでざわついていましたけど、今は仕事をしないで遊んで暮らしたいというのが目標ですね(笑)
それはまあ、皆さんそうでしょ?(笑) 自分は違うみたいな人は、たぶん世の中になかなかいないんじゃないかなと思いますけど〜。
今の目標はそうですねぇ、働かないで楽して生きたい、です(笑)


ここでMCの伊藤さんが「でもオダギリさんには映画に出続けてほしいですよね?」と観客に。
当然ながら会場からは拍手!でしたが

オダギリ:無理やり拍手させたみたいですみません〜

永山さん:(髪型が違うだけで、今とあまり変わらない写真だと思ったら‥)26歳は2年前ですね。初めての時代劇をやった年ですね。すごく悔しい気持ちになりました。
(写真を見ながら)ほんとに26かなあ。(サイドの髪を)こんな風に剃っちゃって。

<当時の目標は?>

永山さん:目標みたいなものを失っていた時ですね。どうにでもなってしまえと思っていましたね。現在もそれが続いています(笑)

阪本監督:(写真を見て)助監督のときですね。多分、玉置浩二さん主演の『プルシアンブルーの肖像』の時です。この頃の目標は巨匠!(きょしょうの)‥「しょう」は小さいと書くんですけど(笑)
とにかく映画監督しか頭になかったですね。

ここで、3人が「エルネスト」PRのパネルを持ってマスコミのフォトセッション。
その後なんと観客にも20秒だけですが撮影タイムを設けて下さいました

<最後の挨拶>

この辺り、キーワードしか書けていないので、かなりあやふやな記憶で繋いでます

オダギリ:今の日本映画には珍しい、リスクを負う挑戦的な作品だと思って参加しました。
こんな企画に手を挙げる人は少ないだろうし、日本映画界にとってとても意味のある作品だと強く思います。
10年後を考えた時、こういう作品が作られるかは、今の時代の作品が出す答えにかかっていると思いますし、ここにいる皆様の力をお借りしながらこの映画が大きく成長していくことが、こういう作品が無くならない唯一の道だと思いますので、是非宣伝をしていただきたいなと思います。

永山さん:(感慨深げな口調で)オダギリさんのような言葉を直接聞けるのは本当にありがたいことです。。
先輩を見習って仕事をして行きたい。今日皆さんがこの作品を観て、何を思ってどう感じたかを声にして、周囲の人に勧めていただけると嬉しいです。


阪本監督:自分で作って自分で見返し、改めて「平穏」って何なんだろうと思いました。
この映画は前の東京オリンピックの時代のことです。(メモには「遠い国に学生たちがいた」「名もなき学生が名もなき戦士に」などのキーワードがありますが不明^^;)
戦闘シーンを期待した人には物足りないかもしれないですが、政治家が笑えない喜劇を演じているなか、こういうまっすぐな映画があってもいいのかなと思っています。
こんなに清らかな映画を撮ったのは初めてで恥ずかしいんですが、映画の中の何かを自分に引きつけて見ていただけたら。
フレディが皆さんの心の中で生き続けることを期待しています。


最後のオダギリの挨拶は、淡々としたものながらも、心からの言葉であるとわかるような口調でした。また、それを受けての「(今の)オダギリさんのような言葉を直接聞けるのは本当にありがたいこと」という永山さんの言葉、口調、表情も心からのものに感じられて‥とても感動しました。