鉛筆の音。紙をめくる音。水の音。BGM。
(特に)加藤剛さんの話される美しい言葉の響き。
言葉の映画なのに、まず私は、この映画の中の言葉を包む心地いい音たちに心を奪われました。
また、子供の頃から「本」はもちろん、とにかく「紙」が好きな私には(今でも数えきれない種類の紙や紙製品が家にあり‥!)、辞書のための紙選び‥というシーンだけでもワクワクしてしまう作品でした*^^*

今回、事前に座席を指定して取っておかなければならない試写会だったため、なあんとなく前過ぎず後ろ過ぎず、ほどよく角度のついた席をとってみたところ、観客席に降りてきて通路に立ってくれたキャストのみなさん(‥というかオダギリ^^;)を、ちょっと首を回せば密かに(←ここが重要)ガン見できる場所で、考えてみればこういう機会‥同じ高さの場所に、同じ方向を向いて一緒にいる状態‥って、これまで無かったような気がするので。。その様子を数メートルのところから見ていることができる席を、知らず知らず選んでいた自分!ありがとう!でした(あっ、映画祭で観客として同じ客席に座っていたことはあったっけ‥^^;)



■2/19(火)「舟を編む」完成披露試写会
丸の内ピカデリー2
開場:18:00 開演:18:30
登壇者:松田龍平、宮あおい、オダギリジョー、黒木華、石井裕也監督
司会:松丸友紀アナウンサー(テレビ東京)


テレビ東京の松丸アナが登場。作品の紹介が少しあった後、キャスト、監督の登壇です。
拍手の中、舞台左から黒木華さん、オダギリ、松田龍平さん、宮あおいさん、石井監督が並ばれます。

松田龍平さん:映画を観に来ていただき、ありがとうございます。馬締(まじめ)をやりました、松田です。
すごい好きな映画なんで、楽しんでもらえたら嬉しいです。ありがとうございます。

宮あおいさん:こんにちは。とっても素敵な作品が出来上がりました。
私は参加してないシーンも多いんですが、試写でくすくす笑いながら楽しんで観ました。みなさんも是非楽しんで帰って下さい。

そして、「馬締を支えるお調子者の先輩編集者」と紹介されて。

オダギリ:こんばんは〜オダギリです。
えーっと台本読んだ時から、辞書を作るってすごく、こんなに面白いもんなんだなと思って、えーーちょっと、なんか、固いイメージがあると思うんですけど、えー‥とっても面白いもんだと感じていただけると思いますし、それぞれにこう、回りに広めていただければと思います。
え〜楽しんで帰って下さい。

黒木華さん:岸部みどりを演じました黒木華(はる)です。
私は最後の方からしか出てこないんですけど、面白いところがたくさんあって、すごいあったかい映画だなと思うので、みなさんも楽しんでいただけたらなあと思います。よろしくお願いします。

松田さん、オダギリ、そして黒木さん‥と、5分の3人の声が小さめ(笑)。
そんな方々の中だからか、松田さんと同い年の石井監督は、監督さんでは珍しく(?)かなりハキハキとした方という印象が残りました(笑)。

石井裕也監督:たくさんのご来場、どうもありがとうございます。
スタッフ、キャスト一同、力を合わせて一生懸命作りましたので、ほんのちょっとでも楽しんでいただければ嬉しいです。今日はどうぞよろしくお願いします。

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(松丸友紀アナ)Q:一風変わった役を演じてみて。

松田さん:そぉうですね‥あの‥コミュニケーションが‥言葉を扱うのが苦手な馬締が辞書を作るっていうことをすごく(   )と思って。(聞き取れず‥;)

Q:役柄に共感する部分について。

松田さん:共感じゃないかもしれないですけど、馬締がマジメすぎて言葉が出ないというか、彼はすごく本を読むのに、本を読み過ぎて‥読み過ぎてじゃねえや!(笑)、たくさんの言葉を知ってるのに、その言葉を出せない。
(この後がよくわからず‥^^;でも、公式ブログのレポでは『辞書を作ることによって、言葉の使い方を学んでいく姿が面白いと思いました。』とありましたね

松田さんは小さな声でゆったりマイペースに喋る方でしたが、「読み過ぎてじゃねえや!」の瞬間だけ、3倍速くらいになって、大きな明るい声で自分ツッコミをしていたので(笑)、ああ、もしかしたら普段はこういう人なのかもしれないな〜と思ったり^^

Q:板前役は初挑戦だそうですが。

宮さん:あの〜すごく背筋がピーンと伸びる気がしましたね。前掛けを締める感じとかも。
包丁の練習もちょこっとさせていただいたり、器と食材について普段から意識するようになったり。個人的にはすごく楽しかったです。

Q:西岡はムードメーカーでチャラいけれど、実は真面目で熱い。

オダギリ:はい。あぁの〜‥この役を大体その、チャラいとかお調子者っていう、あの〜紹介されることが多いんですけど‥すごく恥ずかしいですね。(小さな声で)(会場笑い)

松丸アナ:そうですか(笑)。

オダギリ:ええ(笑)。

松丸アナ:すいません。。

オダギリ:(驚いたように)いやァッ‥!えっと‥誰が悪いって話でもないんですけどね(笑)。(会場笑い)
ええーっとォ〜まあでも(西岡)本人は、あの〜そういうつもりは‥あるかないかわかんないですけどね。
‥あのっ、演じてるっ(笑)僕もあんまりよくわからないまま演じて、えーそのまま終わったっていう感じですかね。

松丸アナ:おちゃらけたところもありますけど、温かい人物ですよね。

オダギリ:‥そうですね!そういう風に褒めていただけるとすごく、気が楽になります。(会場くすくす)

Q:“みどり”を演じられて。(みどりについての説明もあったんですが忘れました‥)

黒木さん:(オダギリ部分で時間がかかってしまい、全然書けず‥すみませーん!ですが)『役柄のみどりと同じで、自分の撮影もみんながいるところに入って行く感じだったので、とてもやりやすかった』(というような話をされていました)
(作品中のみどりの変化も見どころと言われ)みどりは結構「変わってる」って言われてますけど、辞書の人たちの中に入ると、多分一番普通に見えるのでは‥(笑)、多分一番共感してもらえるのではと勝手に思ってます。

Q:この映画は35ミリフィルムでの撮影だったそうですが、こだわりの点は。

石井監督:フィルムもそうですけど、手作業で、アナログの手法で辞書作りをしてる人たちに寄り添うように、映画も作れたらいいなあと思ってました。

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Q:<「辞書の思い出」について>
(以下、テレビからの映像から起こしたものも盛り込んでいます

松田さん:(ほとんど聞き取れないくらいの声で)‥‥辞書の思い出は‥あんまり勉強が好きじゃなかったんで、あんまり辞書をちゃんと読んだことがなくて、だから、エピソードもあんまりないんですけど‥(笑)

更に突っ込む松丸アナに対して、松田さんが何か話そうとされますが、そうだ、みんなまだ映画を観てないんだった!ということを思い出されたようで、小さな声で控えめに慌てる松田さんが可愛かった(笑)。
じゃあ違う話を、ということで‥

松田さん:撮影現場にあった辞書2冊で「国境」という字を調べてみたら、使用例が2つとも違うんですよ。
ということは、これから「大渡海」という辞書を作るんですけど、その2冊に載っていない3つめの使用例を使わなきゃいけない。そう思うと、とてつもない作業だなって思いました。

この松田さんのお話でちょっと感動したのは、『使用例が2つとも違った』というところまでは松田龍平さんの言葉だったのに、『これから「大渡海」という辞書を“作る”んですけど』というところから、自然と映画の中の馬締さんの言葉のようになっていたところ。
正直なところ、実際メモしていた時にはあまりピンと来ていなかったのですが、映画を観て、初めてメモを見返した時、私の頭に浮かんでいたステージの上の松田さんの姿が、後半部分では辞書を見ている馬締さんの姿に変わっていました。

以下、同じ質問がそれぞれの方に続きます。

宮さん:‥‥‥(悩)‥‥‥‥(相当長い沈黙)
辞書‥‥小学生以来引いていないなあって思うんですよ。
辞書を引くっていう言葉も、今の、ほんとに若い人はもしかしたら知らないのかな〜と思ったり。携帯とかでピピピって入れたらすぐ出てきますし。
んーーーーーーーー特に(笑)エピソードが‥(笑)見つかりません、すいません(笑)。

オダギリ:みんなに訊くんですねえ^^; 
そぉうですねえ〜あの〜ま、必死で今。。

松丸アナ:はい‥!(かなり期待感に満ちた口調で/笑)

オダギリ:考えてはみたんですけど、


松丸アナ:すいません^^;

オダギリ:世代なのかもしれないですけど、あの〜英語でディクショナリー(辞書)っていう‥のを覚えるために、“字を引く書なり”みたいなことを、えー、なんか覚え方として習った気がして‥。

松丸アナ:へえ〜

オダギリ:‥なんかそれが〜

松丸アナ:ええ!

オダギリ:ちょっと(笑)腹立つな〜みたいな(笑)。

会場はもちろん、松丸アナ、それからオダギリの横に立っていた松田さんも、身体を屈めて笑っています。

オダギリ:なんか(首を傾げながら)そこで別にうまい事言う必要ないんじゃないか(笑)って気も、今、そう感じました。改めて。

黒木さん:(やはりかなり長い沈黙の後)‥あ!高校卒業するまで電子辞書を買ってもらえなくて、英字や漢字や国語辞典が重なる授業の日があると、憂鬱だったのを今思い出しました。
ほかにも教科書があって重かったので、置き勉したりとか‥こんなことくらいしか‥(笑)

石井監督:この流れはヤバいですよね‥(笑)。
僕も特にないんですけどね〜小学校卒業する時、町内会長の人にもらいました。今でも使ってます。

松丸アナ:じゃ宝物ですね。

石井監督:そうですね(笑)、宝物‥(笑)

オダギリ、監督から「町内会長」という言葉が出たところで笑っていました(笑)。
あと、「宝物」という言葉のチョイスがちょっと可愛らしすぎた感があったのか(私はそういう空気を感じました/笑)、「宝物」のやりとりでも笑っていました(笑)。

********************

Q:<キャッチコピーの「マジメって、面白い。」にちなんで、ズバリ!この中で一番マジメだと思う人は?>


松田さん:‥‥‥ええーっと、みんなマジメ‥なんですけど。そうですね。石井さんかな。
理由は「撮影前から石井さんとはいろいろな話をして、度々意見が食い違ったりした。石井さんはそれを一旦家に持ち帰って、次の日にまたその話の続きを始めるということが結構あって、マジメだなと思った」というもの。

宮さん:私もみなさんマジメだと思うんですけど‥黒木さん‥がマジメだと思います。
理由は「そんなにたくさんじゃべってはいないですが、個人的に一番好きな女優さん。生活の話をしてもマジメなんだけど毒がある感じ。(キャストの)みんなマジメで変な毒があるのがすごく好き。特に黒木さんのバランスが好き」。

オダギリ:あぁの〜‥‥難しい質問なんですけど、みんなちゃんと台詞を覚えたりしてくるので
(会場くすくす)そういう意味では(笑)やっぱりみんなマジメなんじゃないかと。

松丸アナ:はい。

オダギリ:もちろん僕も含めて。

松丸アナ:ええ。

オダギリ:そう思いますねえ‥‥‥

松丸アナが終了のOKを出してくれないから‥ とりあえず自らフェイドアウトを目指した感じ!?(笑)
しかしやっぱり、『‥その中でも一番マジメというと‥?』と更に訊ねられ。

オダギリ:ん〜〜〜、僕は結構、自分が一番マジメなんじゃないかと思いますけどね。(会場笑い)

松丸アナ:‥というのは‥

オダギリ:ずぅいぶん訊いてきますね!^^;

松丸アナ:すいません(笑)。

オダギリ:え〜〜いやっ、あの〜なんか(ちょっとニヤリとした表情で)ちゃんと‥したことが好きなんですよね。

松丸アナ:はあ。日頃から。

オダギリ:日頃から。えー『人に対して』。 (←あ。/笑)
自分に対しては甘いんですけど。人には(力を込めて)ちゃんと!』してほしいんですよ(会場笑い)

隣で松田さんと監督が吹き出して笑っています(笑)。
しかし、これってまあ「自分がマジメ」というよりは、「マジメな人(や事)が好きな自分」の話ではないかなと思ったり(笑)。

松丸アナ:えへへ‥^^;(ちょっと反応に困っているような‥)

オダギリ:なんかっそういう‥(笑)

松丸アナ:なるほど〜

黒木さん:私もみなさん真っ直ぐな方だと思うんですけど、特に石井さんがマジメなんではないかなと思います。
理由は「実は監督のことはまだよくわかっていないけれど、こんな映画を作ったり、人を話しているところを見ると、きっとマジメな方なんだろうなと思った」とのこと。

石井監督:ん〜ほんとにみんなマジメだと思いますけどね。いろいろな種類があると思いますね、マジメにも。

それでも訊ねられて、「やっぱり1人挙げなきゃダメですか」「松田さんも根っこの部分ではマジメ」「オダギリさんもマジメだし」ということで、やっぱり1人に絞れない監督さんでした(笑)。

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<最後にメッセージ>

松田さん:何気なく使っている言葉を、ちょっと違う角度から見れる、いい映画だと思います。
今は辞書もデジタルで、1+1は2みたいにスピーディに答えが出ることが多い中、わざわざ辞書を開いて、回り道することの面白さを知ってもらえたらと。
楽しんで帰って下さい。ありがとうございました。
ここで、マスコミによるフォトセッション準備のため、キャスト、監督さんが一旦退場。
すると‥松丸アナの指導のもと(笑)、松丸アナ「マジメって」→観客「面白〜い!」とグーを掲げて言う練習がスタート(笑)。(「舟を」→「編む!」パターンもありましたが、本番採用は「面白い」の方でした)
ふと見ると、真ん中より少し後方にある通路には、いつの間にか2階席から下げられた巨大な「舟を編む」の垂れ幕も。
(ただ‥これって、その幕より後ろに座られていた人たちの視界をかなり遮断するもので‥ちょっとハラハラ(>_<) もし私が座っていたら‥やっぱり幕で遮られてしまうのはちょっと寂しいかなあでも、キャストたちの再入場は後ろの出入り口から行われ、その幕の前にズラリと並ばれたので、シルエットだけでも映っていたら嬉しいかもしれないかな。幕はキャストの腰辺りくらいまでなので、隙間から見ている人もいるかもしれないけど‥などなど、かなり気になってしまいました;)
そして、キャスト、監督のみなさんが、後方ドアから再入場。みなさんの手には分厚い「大渡海」が。
特別重そうにも見えなかったけれど(軽々と持ってるだけかも‥?)、かといって化粧箱だけという感じでもなさそうで、どんな仕様のものになっているのかな、と、辞書の重量感をちょっと観察してみたり。
そして、マスコミのフォトセッション。辞書を持って、あちらを向いて‥こちらを向いて‥とリクエストに応えてみなさんポーズ。
松丸アナが「もしよかったらテレビ媒体に手を振ってもらえませんか」と2度言ったところで、やっと松田さんと宮さんだけが(笑)手を振られます。
オダギリは、スポットライトの当たらない近距離で見ると、頬のヒゲの陰影が結構くっきりしていて、なんともワイルド(笑)。
輪郭も相変わらずシャープで、大好きな斜め横顔を近くから観察したい放題の幸せなひとときでした
そして、例の本番の時間が(笑)。
「マジメって」→「面白〜い!」。
人気ドラマの映画化作品なんかに比べたら、かなり控えめパワーだったような気はしましたが‥(私も含めて)‥それでも応援する気持ちは負けてない!‥‥はず^^;
一瞬遅れてパーーン!という音が響いたと思ったら、映画館全体にたくさんのキラキラが広がり、光りながら降ってきました。そのままオダギリに視線を向けると、丸く見開いた目で、同じように宙を見上げてる。キラキラのテープ、オダギリの頭に落ちないかな。落ちたらいいのにな〜なんて、ちょっと意味不明の期待をしながら見ていると、膝にパサ‥。見ると、私の膝の上に銀色と青色のテープが数本乗っていました。なるほど、水をイメージしたものなのかな。もう一度オダギリを見ると、視線をゆっくり動かしながら、キラキラが降ってくる宙をまだ見ていました。(この間、わずか数秒のことですけど) 
暗い映画館全体が海の中みたい。私たちはみんな同じ海にいる。
そういうイメージが過ぎったら、膝に乗ったテープを払い落とせなくなってしまいました(笑)。(→現在家にあり/笑)

ここで、拍手の中みなさん退場。
オダギリを見送りながら、この日の私が、胸元から裾までコントラストの強い竜の柄がのぞいている黒のジャケット風チュニックを着ていたことを思い出し、あれ?上半身の雰囲気がちょっとオダギリに似ているかも‥?と、最後になって思えてきて、自分でちょっとおかしくなったり。
でも私はこの日の宮さんの衣装がいいな、着てみたいな〜と図々しく思いながら見ていたのでした^^;