明るく元気な大きな声で「はっはっはっ!」と笑う山本さん。
「TR」で司会をされていた時、一度渡辺あやさんの回で間近にお見かけしたことはありましたが‥真面目にMCを務められている時とは今回はまたちょっと印象が違ったかな^^
今回は文章として書いたのはごくわずかで、ほとんどがメモしたキーワードを私の言葉で説明している形になっていますので、こういうような話だったと受け取っていただければ。。


1/27(金)「マイウェイ 12,000キロの真実」舞台挨拶付上映会(山本太郎さん)
新宿バルト9 10:30の回上映後
登壇者:山本太郎さん

司会進行役は下元あきらさん。

開口一番、みなさん、映画観たんですよね、羨ましいですねえ!と山本さん。
ん?と思った瞬間、『僕、まだ観てないんです』。ええーーーー^^;
なんでも『市民活動』の方が忙しくて時間がないとか。。確かに私の知り合いが渋谷でマイクを持って立つ山本太郎さんを見たと言っていました。私も先日、新宿で山本さんらしき人の声を聞いた気が。。
すごいなあ、頑張っているんだなあとは思っていたんですけど‥いやいややっぱり、どんな作品の中で野田曹長がいかに存在感を出しているのか、一刻も早く確認していただきたいです、ほんと(笑)。
配給会社からも(この舞台挨拶を前に?)観てもらわないとということでDVDを渡されたそうですが、半年かかって撮影したものを小さい画面で観るのは悔しい、やっぱり大きなスクリーンで観たいということで、結局観なかったんだそうです(笑)。
「好き勝手編集したものは観てませんが、現場は見てますよ〜(ニヤリ)」とちょっと毒舌も‥(笑)

下元さんの方から、なぜ「曹長の野田」役を受けられたのかという質問が。

山本さん:最初受けたくなかったんです。
日本人が悪いアイコンになるのは気分が悪いじゃないですか。

話は逸れますが‥ということで、昔、南京(大虐殺)をテーマにした中国の映画のオーディションを受けたことがあるというお話に。
台本にはもちろん残虐な日本人が書かれていて、オーディションの最後、監督に何か言いたいことは言われたので、“戦争で日本人が悪く描かれる部分があるのは仕方ない。でも、日本人として少しでも救いの部分(現地の人に手を差し伸べたりといったシーン)がないと、この映画を作る意味がないのでは。反日感情を煽るためだけだったらドキュメンタリーを繋げばいい”という風に言われたそうです。
すると、その映画は落とされたと^^;

そんな話があった後、「マイウェイ〜」のオーディションの話へ。
なんと最初山本さんにこんな役もありますよ的にオファーが来ていたのは、(野田役と?)浜田学さんが演じられてた向井少佐の役だったんだそうです。だから山本さんは、山本さん曰く「朴訥とした日本人(=向井)役」をしたくて、「シュリ」の監督のオーディション!?ラッキー♪という感じでオーディションを受けに行ったんだそう。
で、確か以前にも他の映画でそんな話を聞いたことがあるような気はするのですが‥そのオーディションはなんとSKYPEで実施(@_@;)
SKYPEのカメラ向かって4人ほどの俳優さんが並び、順番に浜田学さんが演じた「朴訥とした日本人」と、野田曹長を演じ‥。
山本さんは自分の演技の振り幅をアピールするために、朴訥⇔野田の狂気‥を際立たせて演じたとか。
すると後日‥カン・ジェギュ監督側からきたオファーは『是非野田役で』。
山本さんは「いやいやいや無理無理無理!」(と言われていました/笑)、自分が演じたいのは朴訥とした日本人役で、「日本人の悪としてのアイコンに使われるのは嫌」だと断り、再三の連絡も放っていたんだそうです(笑)。
が、韓国側で“なんかグダグダ言ってるし、出番もそれほどない役にこんなにギャラを払うのも‥別の人を起用した方がいいのでは”という話が出ても(笑)、カン・ジェギュ監督が「野田は彼で」とねばってくれているということを知り、そこまで言ってくれるのであれば、野田という役を自分が理解できる人物に近づける作業をしてみては(そういう表現は全くされていませんでしたが恐らくそういうニュアンスだったかと^^;)と考え、野田のバックグラウンドや経歴を監督とも話し合ってみたとか。
そんな中、結局監督の言いたいことは、どこの国の人間かとかいった話じゃないんだ、いろいろな人間の中にどうしても生き延びたいキャラクターがいて、生きたいが故あんな風な人間になっているのが野田なんだ、日本人の悪を描きたいんじゃないんだということに気づいたそう。
だったら‥ということで、受けることにしたんだそうです。
下元さん:この映画が今の時代に問いかけるものとはなんだと思いますか。

そんなちょっと難しい質問には、『自分の役、そして主役の2人にも通じることだと思うけれど、やっぱり“生きてこそ”。狂った時代にこそ、自分の中にある「善」をチョイスすることを求められているのかなと思います』というようなことを答えられていました。

ここから一般の方からの質問コーナーへ。

Q:(完全なネタバレとならないよう、状況を説明する部分は省いて、観た人にだけわかるようにしていますが、ニュースでは出てしまっていたかも^^;)野田の「かあちゃん」という台詞は最初からあったものなのか、話し合いの中でできたものなのかを教えて下さい。

山本さん:野田のバックグラウンドを出すシーンを増やしてもらえたら‥と思ったんですが、元々あんなに分厚い台本の作品なのでそれがダメなら自分のシーンの中で何か表現できないかとずっと考えていたんです。でもやっぱり難しかった。
だったら無理にでも突っ込めないかと考えた時に、あのシーンが最適だと思ったんです。
どうしても生きたい、置いてきた母がいる故郷に帰りたいということを出せば、野田という人間が少し見えてくるんじゃないかと。その台詞を聞き逃さないでくれてよかったです^^

ただ、そんな一言でも、基本アドリブを入れない監督のOKをもらうのはなかなか難しかったそうで、監督に交渉しにいくと、どうしてそう言いたいんだ?と訊かれたとか^^;
え、わかるでしょ?あの状況ですよ?^^;とあれこれ必死の説明をしてやっとOKをもらったそうで、その一言を入れられてよかった、カットもされていなくて良かったと言われていました。

Q:映画の主人公は夢を持っていましたが、山本さんにとっての夢とは。

山本さん:僕の夢はやっぱりいい役者になることですね。

ここからは記事にもいろいろ出ていたように、「今は仕事はないけど」「役者をやっている時の20倍忙しい。収入は10分の1だけど」というようなことを言われていました。
また、いい役者になるためにはこのままでは終われない→60才70才でブレイクしたい→そのためには長く生きられる環境を確保しなければいけない‥というような話から、暫くは(今、いろいろと反対運動をされている)原発の話に。
夢と原発‥一見何の関係もない話のように思えるだろうけど、自分にとってはそうではないんだというお話でした。

Q:壮絶なシーンが多かったですが、撮影の中で大変だったこと、楽しかったことは?

山本さん:壮絶なシーンはカメラワークでそう見えるということなんてないんです。現場が壮絶だから壮絶なシーンが残せるんです。

キッパリした口調でそう言われ(オダギリとは全然違う‥^^;)、ここから「爆発」の話に。
かなりうろ覚えなのですが、

普通爆破シーンなどはテストはするけれど爆破はしない。動きの細かい確認などだけして本番になる。でも、本番になるとあまりに爆破がすごくて、細かい動きなどわからなくなってしまう。でも、やらなきゃもう1回やらされるからとりあえずやるしかない(笑)。

というような話をされた後、

ノモンハンのシーンでは火炎瓶が出てくる。例えば日本で火炎瓶を使うとなれば危なくないように飴細工などになる。でも韓国では本物のビン^^;
だから僕たちにとっては本物の戦場だったんですよ。

と、オダギリと同じような感想を話されていました。
あと、「楽しかったこと」については、

今となってはみんな楽しく思えますけど、当時はやっぱりそうは思えなかったところも。
自分の出番がない日は出番がある人と連絡を取り合って、週の半分は日本人で一緒にご飯を食べていた。「今日はどうだった?」「いや〜‥‥(ため息)」という感じで。(オダギリの名前は出ませんでしたが、撮影時にはよく一緒にご飯を食べにいっていたようでしたね*^^*)
また、ずっとその場に留まってその映画のことしか考えなくていい、1日に撮るシーンも少ない‥という環境は贅沢な時間だったとも。

あと、やはりオダギリも言っていたような話(待機時間、撮影スタイルの違い)をされた後、さんざん待たされた挙句に、日が暮れるからと自分のシーンのテストがなくなり、急に本番になったりすることもあった
でも、そういう時にこそ、これまでの自分の経験値が必要になってくる。そういうことも面白かったと。

Q:(韓国人の方から)野田という役を演じるにあたって、中国や韓国の人にどういう風に見られるかという心配はなかったですか。

山本さん:この映画が上映されたら、韓国を歩いたら石投げられるかなと思ったんですけどね(笑)。でもそれは役者冥利に尽きることですから。
心配はしてないです。役ですから。

あと、こういう映画は親日や反日などカテゴライズされがちだけれど、そんな風に考えるような時代じゃない。多様性を認めるような世の中にならないと生きづらくなる。何かに分けるんじゃなく、全部ひっくるめて「人間」なんだと。
そんなことをもっともっと長く話されていて、でも言われていたことは大体こういうことじゃなかったかなと思うのですが‥山本さんの言葉というか、話し方、声には説得力があり、この部分には特に『そうだよなあ‥』としみじみ思いました。