■第22回東京国際映画祭
映画人、松田優作の世界 〜没後20周年特別企画〜
The World of Yusaku Matsuda

10月23日(金) 24:00〜30:30
TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen7
登壇ゲスト:松田美由紀、岸谷五朗、宮川一朗太、オダギリジョー、御法川修監督

(  より続き)

‥ということで、今更という感じで美由紀さんから、「オダギリくんにとって、優作はどういう存在?」という質問が(笑)。

オダギリ:(期待?にシーンとする会場を見回しながら)
えぇーっと‥‥うわ‥こぉれは‥‥重い空気ですねぇ^^;(会場笑い)

美由紀さん:私、一回も聞いたことない。

オダギリ:んーっとねぇ‥‥。僕にとっては、時代のアイコン‥だったんですよ。象徴というか。
‥70年代のカッコいいものというと松田優作になるんですよ。男としての存在が、僕にとっての美で。

『自分とはタイプも芝居も違う。でも、優作さんのカッコよさというものを目指していると言っても過言ではないかもしれない』というようなことを、言葉を探しながら語るオダギリ。

オダギリ:なんか‥あるじゃないですか。カッコいいものってね。

そして、『もちろんその“カッコよさ”の中には、ビジュアルも哲学も仕事の仕方も含まれる。役者としての在り方が、あの時代での最高のカッコよさだと思う』と。
また、自分にとっての「70年代」のアイコンが優作さんという存在だったが、現代においてはどういう形のものになるのか。そういうことを考えながらやってきた気がする、というようなことを話していました。

美由紀さん:オダギリくんは開拓者だもんね。

そう言いながら、ふと思い出したように、息子さんの松田翔太さんの話をし始める美由紀さん。(ちゃんと書けていないので、要旨のみです)

『オダギリくんの「時効警察」の枠の後に、うちの息子がドラマをやったと思うけど、その時、家で息子が言ってた。「オダギリさんがあの枠を開拓してくれた」って。』

ちょっと驚いたような、恐縮したような小さな声で、

オダギリ:イヤイヤイヤありがたいですねぇ‥

美由紀さん:ほんと言ってたんです、翔太が。
オダギリさんが「時効警察」でテレビドラマを変えてくれた。その後に僕がやらしてもらえてすごく嬉しいって。

オダギリ:いやいやいや‥

『オダギリさんが広げてくれた世界を、もっと広げて繋げなきゃいけない。そういうプレッシャーを感じてるって。』

オダギリ:いや、おこがましいですよ、そんなこと。。

『まさかそんなことを言うとは思わなかったから、「あ、うちの息子、なんかいい感じだな」と思った』という美由紀さんと(笑)、そんな翔太さんに「優作イズムを感じましたね」と話す、ちょっと感激口調のオダギリ。
その後、河井さんが「哲学は変わらない。時代時代で方法が変わるだけ」というお話をされた時も、俯き気味に『ウンウンウン』と真剣な面持ちで頷き、美由紀さんがオダギリに対して「クリエイティヴ」という言葉を使った時は、小さく『いえいえいえ‥』(声というよりは、こう言っているのが見えた感じ/笑)と首を振っていました。

で、ここの流れが(も?)かなりあやふやなんですけど‥^^;
美由紀さんが『オダギリくんが楽しそうに意欲的にやっているのを見てたら、自分も頑張ろうと思える』とおっしゃり、河井さんが『キム・ギドクまでやっちまうし(笑)』と、最近のオダギリの活躍について語られたところで、美由紀さんから再び「(そんな活躍の中?)どうして香椎さんと結婚したの?」というツッコミが(笑)。
で、その続きの流れは、下の記事で挙げた内容のような感じだったんですけど(笑)。

最後は‥なんだっけ
一番覚えているのは、河井さんがオダギリコーナーの締めに入りかけたところで、「早いですね(笑)」と笑ったオダギリの笑顔(笑)。(そうか早かったんだ楽しかったんだねうんうんうん)
細かい流れは忘れてしまいましたが、美由紀さんに『(そうやって)みんな繋がっているからいいんだよ』というニュアンスのことを言われ、

オダギリ:ほんとに‥僕も「探偵物語」の方法論を‥今やればどうなるかなって思いで「時効警察」をやりましたから。
だから、ほんとにそれは受け継いでいるんですよね。

オダギリ:受け継いで、また翔太さんにバトンを渡せるっていうのはね、なんか、感慨深いですね‥。

と、しみじみ。
私もしみじみ。

(追記:急に思い出しました。「僕も『探偵物語』の方法論を今やればどうなるかなという思いで「時効警察」をやった」という話のあと、「時代は違うのでコメディーになりましたけど」というようなことも言ってたっけ!)

河井さんは、
『今の時代、既にあるものに出るという人はいても、自分で何かを発しようという人は少ない。そういう意味では「オダギリジョー」という存在はすごい貴重』
というようなことも言われていました^^

美由紀さん:オダギリくん、責任重大ですから頑張って。
超期待してます

オダギリ:‥頑張りますけどねぇ?(笑)

『時代の責任まではちょっと持てませんけど、そりゃできるだけのことは頑張らせてもらいますよ〜?』という感じでした(笑)。

「オダギリジョーさんでした!」
登場してから約30分。オダギリが退場したあと、美由紀さんが「いつ見てもカッコいいですねぇ〜」と一言。
河井さんは「昔、日本アカデミー賞でぶっとんだ衣装でびっくりしましたけど‥」と一言(笑)。



そしてそして。最後は岸谷五朗さんの登場です。


■岸谷五朗さん

・美由紀さんと初めて共演した時、美由紀さんの目が見られなかった。バックに大きい優作が見える。この人は優作さんと歯磨きしたりおはようと言ったりしてたんだと思うと(笑)。
僕は優作さんに会ったことがないから、優作って呼び捨てにできるただのファン。でも、美由紀さんを見るとそんな風にできなくなる。これは多分一生続く(笑)。(美由紀さんは、岸谷さんのその症状に、以前から困惑しているご様子でした/笑)
・優作との出会いはジーパン刑事。ジーパン刑事を見て、あ、宇宙からやってきたと思った。走っている姿が世界一画になる男。
・優作さんの訃報の速報が流れた時、ドラマのようにグラスを落とした。入れないけどお葬式に行って、朝まで立ち尽くした。やっと「優作がいなくなったことで一つ役の席が空く。そこに俺が入れるかも」と無理矢理思うことで、家に帰れた。
・(演技の)センスがすば抜けている。コメディーでもなんでも。
・昔、優作さんに殴られた人はたくさんいるが、今は「俺、優作に殴られたんだぜ」ってMの顔をして言う。それを聞く回りも「俺も殴られてぇなぁ」って顔をしてる。 


考えてみたら、美由紀さん以外のゲストはみなさん、松田優作さんに会ったことがない方ばかり。
ただ、岸谷さんは「役者」として優作さんと同じ時代を歩かれていた時間があったからか、優作さん個人に対する強い憧れ、畏れが、他の方以上にひしひしと伝わってきて、その思いに一緒に浸らせてもらえたことが幸せに思えました。

 
 
トークのコーナーが全て終わった後、

河井さん:オダギリジョー、岸谷五朗と違うキャラではあるけれども、優作さんの持ってる色を持っている。

美由紀さん:今回、映画やトークに参加してくれた人たちがたくさんいますが、(自分のためじゃなく)人のために、すごいところまで来ている役者さんが参加してくれるって本当に凄いことだと思う。
付き合いじゃなく気持ちがある。ほんとにありがたいなと思います。

というようなことを話されていました^^

ドラマ「熱帯夜」と、昔、観たっきりの「家族ゲーム」は面白かった。
優作さんはもちろんですが、「熱帯夜」の桃井かおりさん、「家族ゲーム」の由紀さおりさんもよかった。
優作さんが生きていれば、今年60歳だったんだそう。
今いらっしゃったら、どんな役を演じるどんな役者さんになられていたのかなぁ‥。想像がつきません。(今ふと思ったんですけど、笹野高史さんと同年代なんですね/笑)

私たちはついつい『松田優作に代わる人なんていない!』とか、反対に『今、「優作」と同じような位置にいる人って誰?』などと考えがちですが、今日の話を聞いていると、たくさんの人の意識、人生の中に「優作イズム」は生き続け、優作さんがいなくなってしまった今でも、それはどこかで変化したりしなかったりしながら、しっかり受け継がれていっているんだ‥ということを実感しました。
そしてそれは、松田優作という人にしかできなかったことであり、この人の代わる人がどうとかいったことじゃないんだ。
つくづくそう思いました。




朝の7時前。六本木の某ファストフード店に入ってみた私の耳に入ってきたのは‥‥‥<蛍の光>^^;
カウンターを見ると、店のユニフォームを着た、ひと目で外国の方だとわかる男性が、両手を小さく振りながら、
「テイクアウトダケデス〜」
見ると『営業〜朝7時まで』。(しかし8時から再開)
なるほど‥。恐るべし六本木の朝‥。
一瞬、「時効警察」の世界に迷い込めたような気分が味わえました。。