何となく録っていた「日本映画監督列伝」(今回衛星劇場で特集、放送される作品について、監督自らその裏側を語る特別インタビュー)の崔洋一監督の回を見たら、監督が「血と骨」のオダギリについて語っていらっしゃいましたので、その部分を載せておきます。
「血と骨」話題でオダギリの名前が出た時はやっぱり嬉しかった。。


9/18(金)『カムイ外伝』公開記念日本映画監督列伝 崔洋一監督自選作品特集 日本映画監督列伝 崔洋一(3)
CS衛星劇場 21:30〜(30分)

第3回/どこまでやるか「血と骨」・初時代劇作品「カムイ外伝」

「血と骨」
「梁石日さんの原作を読んでから映像化するまで」の話が終わり、「金俊平役のビートたけしさんについて」の話が出た後。

崔監督:それはもう、期待通りでしたし、やっぱりたけしさんしかいなかったなと改めて思いますけどね。
ただ、アクションの時に‥(考えて)‥若干話し合ったかなぁ。
どうしようかっていう、二人(崔監督とたけしさん)とも迷いがあって言ってるんじゃなくて、どこまでやろうかと。

『「血と骨」朴武役オダギリジョー』というテロップ。

崔監督:だから、たけしさん風に言うと、「オダギリ潰しちゃっていい?」みたいな話なワケですよ。

★(進行役の方):(やや苦笑気味に?)フフ。

崔監督:オダギリの中でたぶん生まれたのは、"そういうことにあたくし、負けませんよ”っていうね。そういうオーラですよね。

★:(うんうん頷いて)ふーん。

崔監督:あなたに負けるわけにいきませんよ、と。

★:うーん。あれも結構長回しですよね。

朴武と金俊平の乱闘シーンが流れます。

★:つまりその‥屋内から屋外に出て、雨に濡れながら闘うシーンっていうの、お互いに本気でやってるっていう‥

崔監督:もちろん直接殴ったりはしてませんけども、まあ何発かはお互い入っちゃったみたいなんですけども‥と、客観的に言う立場にはいないんですけどね(笑)。
別に煽ったわけでもなんでもなくて、一つのこの、父と子の壮絶な闘いっていうのが、あの二人にとったら必然的なことですから、そこにやっぱりある種お互い人生、どっか賭けなきゃいけないってことがありますんで‥それは芝居的にやっぱり要求した部分はありますよね。
それが結果として、流れとしての大きな、あの、アクションの流れは決まっているけれども、細やかなところはやっぱり二人の“あうん”ですよ。
もう、ほんとに二人のあうんだったと思うんですけども。
テスト‥と違うこともありましたしね。確かに。
たけしさんがあの〜樽と壁にぶつかって、一回転する‥っていう予定はなかったんだけど、一回転せざるを得なかったっていう‥力? オダギリの力。
で‥たけしさんがオダギリにかける肉体的な圧力っていうのは、非常に相乗効果としてね?予定にない動きが入ってたりするんですね。
で、それはまあ、アクションやってる時につきものではあるんですけども、ぼくは二人のある種の、擬似的であれ、こう、募ってくる憎悪というものが、二人の身体の動きを決めるってことは、半分は予想していたことなので、やっぱりそれは任せました。

★:うんうんうん。もう単なる親子の憎悪というよりも、男と男の殺し合い、ですよね。つまり、殴り合って殺し合う、みたいな‥雰囲気は。

崔監督:そう‥ですね。完全にやっぱり。相手を除去することによってのみ、自分の生存が確保されるという、そういう闘いですからね。

★:そうですね。




その後は、劇中のCGについての話へ。
ご存知の方も多いと思いますが、オダギリはこのわずか20分の出演時間の役で、その年の最優秀助演男優賞を総ナメにし、オダギリとたけしさんのこの乱闘シーンは、映画専門誌に『日本映画史に残る名シーンになるだろう』という風に書かれたこともありました。
オダギリ自身は『誰が演っても(賞を)もらっていたと思いますよ』と戸惑いがあったようでしたが、私もいやいやそれは違うでしょでしたし(笑)。
ちなみに、崔監督が『たけしさんが樽と壁にぶつかって一回転』というのは、乱闘中、金俊平が転がった勢いでコロンとでんぐり返りをする場面です。
その場面については、当時たけしさんも、リハーサルにはなかったこと、予定しては決してできなかったことが本番で起こるという映画のすごさ‥というようなことを、しみじみ語られていたことがありました。