■4/14「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」初日舞台挨拶
丸の内ピカデリー1　12:00〜

映画が終わり、会場が舞台挨拶準備モードに入った途端、会場の空気にいつもと違う（自分の中での）緊張感のようなものを感じました。
そして、登壇者のみなさんがズラリと並ばれた瞬間、大作、注目作の持つ空気というものを感覚として実感し、ジワジワと感動が押し寄せてきました。
舞台挨拶によっては、オダギリをはじめ、役者さんたちが個々の強烈なオーラを放っていて、すごいな！と感じることもありますが、『これは大作なんだな』と実感する作品の場合、必ず、オダギリ以上に存在感、オーラのある役者さん（人生に重みのありそうな顔つきをなさっている方）たちがたくさんいて、オダギリも『その仲間に入れてもらっている』風に（私には）見えるのです。。
それまで全く考えてもいなかったのに、みなさんを目の当たりにした瞬間、「作品に関わった方たちのオーラin オダギリ」という風に見えたことで、『すごい作品に関わったんだなぁ』と改めて感激してしまいました。
（ちなみに、これまで私がそういう空気を感じたのは「アカルイミライ」と「血と骨」、そして今回の「東京タワー」です）

そんな感じで‥まず特筆すべきは上映後入場してきたマスコミの数！
劇場両側は後ろまでギッチリと埋まり、（確か「SHINOBI」もかなりの数でしたが）「血と骨」以来のムードじゃないかと思いました。

そんな中始まった舞台挨拶。今日の司会者は日テレの馬場典子アナウンサー。
いくつも作品化されてきたが『大本命がこの映画』との紹介で、監督、キャストがいよいよ入場、向かってステージ右から、松岡錠司監督、オダギリ、松たか子さん、内田也哉子さん、小林薫さん、樹木希林さん‥という順に立たれます。

松岡監督：えっと‥やっと長い旅が終わる感じで、肩の荷が下りてホッとしてます。
明日はリリー・フランキーさんのお母さんの命日、七回忌なんです。
計算したわけではないですが、因縁、不思議な気がしております。
今日はご覧になっていただき、ありがとうございます。

4月が命日という話は雑誌などで読みましたが、明日なんだ‥と急にオカンが私にとって現実味を帯びた存在に感じられました。
福山さんが曲を作る前、オカンのお墓参りに行ったと言われていましたが、その時の感覚をちょっぴり味わわせていただけた気分でした‥　


オダギリ：えー、こんにちは、オダギリジョーです。
えーっと、まぁ大変な作品に関わりまして‥‥最初は、んー（オファーを）受けることすら自分にはいいこととは思えず、半年くらい断り続けて、それでもやることにして、結果公開‥となりましたが、今となっては、んー‥この映画に関われてよかったなと思えますし、いい作品が残せたことを嬉しく思っています。
これからこの映画がどんどん広がっていくことを望んでいます。ありがとうございました。


内田也哉子さん：こんにちは、内田也哉子です。
私はもうほんとにこういう環境に飛び込むことは最初で最後だと思っていますので、どこかお祭りみたいな気分で楽しませていただいています。
参加させていただいてありがとうございます。

内田さん、背が高い！松さんよりも高く、オダギリとほぼ肩を並べていたのにはビックリでした。


松たか子さん：松たか子です。私もこの作品に関われたことを幸せに思っています。
この映画が広がっていくことを信じていますし、心からそう願っています。ありがとうございます。


小林薫さん：時々オトンの小林です。（会場笑い）
さっきスタッフに聞いたんですが、ほんまもんのオトンが来ているそうです。
この場を借りて、だらしのないオトンになってすみません‥

ほんまもんのオトンも来られてると聞いて私もビックリ！一番ビックリされたのはもちろん小林さんでしょうけど‥（笑）
また、聞かせていただいたお話によりますと、なんとリリーさんご本人も客席に来られていたとか！


樹木希林さん：松竹の方に、「樹木さん、（舞台挨拶では）化粧しますか？若オカンはしますけど」と言われ、『オカンは化粧するやろなぁ‥』（ちょっとセリフっぽく遠い目をされていました。多分、『本物のオカンだったらするだろうなぁ』という樹木さんの言葉だと思うのですが）と思い、朝から、9時（9時だったか9時半だったか）から化粧をしております。顔が重たいです（笑）。

ああいいなぁ〜一気に希林ワールド（笑）。



馬場アナ（以下、Qとさせていただきます。質問は要旨のみ）：初日ですが‥

松岡監督：（拍手等の）手応えは嬉しいです。観客のみなさんが、大切な人を思いながら観てもらえる作品になって良かったなと思います。（この辺り、もう少し喋ってらっしゃいました＾＾；）
リリー・フランキーが『大失敗しても構いませんよ』と言ってくれたので、それで自分の流儀でやれました。それが嬉しいし、ホッとしています。

めちゃくちゃ感動しました。まぁ失敗しても元々責任はリリーさんにある訳じゃないですけど（笑）、原作者としては、大切なものに失敗という傷はつけてほしくないというのはあってもおかしくないし、監督としてはそこが一番気になるところでしょうから‥(>_<)


Ｑ：幅のある役を演じて来られたオダギリさんだが、ボクを演じて新しい発見は？
（この辺りから、お1人お1人、言葉を模索しながら長めに話される感じだったので、話し言葉の正確さとしてはかなりいい加減です‥(T_T)）

オダギリ：いや〜そうですねぇ、原作があってそれがリリーさんで、リリーさんはみんなが知っている方で、リリーさんをイメージして原作を読んだであろう、その原作を自分が演じるということは、リリーさんに合わせた方がいいのか（ここ、多分ちょっと抜けているかなと＾＾；）、自分が台本からイメージしたものは決してリリーさんじゃなく、自分自身のことだったり、自分と母のことだったり（以下少々不明）、自分のカケラと照らし合わせて、リリーさんを全く意識せず、リリーさんでない、普遍的なただの男に落ち着けばいいなと思いました。

Ｑ：久々に樹木さんと会ってどんな話をされた？

オダギリ：それはナイショです（笑）。←キッパリ

Ｑ：（実際の）お母様にとってはどんな「ボク」？

オダギリ：最近はすごくいいボクだと思いますよ。
前はちょっと問題を抱えていたと思いますけど、今はいいボクでいられていると思います＾＾

その後、更にこの話題で突っ込もうとする馬場アナウンサーに「別にいいじゃないですか、プライベートなことは〜＾＾；」とちょっと照れたような怒ったような表情で返すオダギリ（笑）。
即、作品や世間の反応等の話を引き合いに出して簡潔に自己フォロー→謝罪していた馬場さん、さすがという感じでした。（こういう時しどろもどろフォローをしたり、すぐ話題を変えたりする方も結構いらっしゃるので‥/笑）


Ｑ：どんな気持ちで撮影を？

内田さん：話を頂いた時点で、演技をしろと求められていないんだろうなと思い、監督やキャストのみなさんに混ぜてもらって、どさくさに紛れていた感覚。
自分の個人的な体験として、家族がこういう仕事をしているので、簡単に踏み込めない領域だと思っていましたので、死ぬまでにこういう体験が出来て感謝しています。

Ｑ：（ご自分の）お子様が（演技に）反映された？

内田さん：私は子役の3人とずっと関われたので、ボクがいるだけでオカンにならせてもらえた。
子供の魂の純度やオーラに包み込んでもらいました。

内田さんのエッセイ等は読んだことはありませんが、「魂の純度」という言葉が内田さんらしくてドキッとしました。


松さん：この映画に関わって、オカンとボクといられて楽しかった。
結果的に終わって思うのは、ボクにとってもオカンにとっても、（ミズエは）気にならない風にやれていたら、「松たか子出てたっけ」という風な存在だったら自分としては役に立てたのかなと。

Ｑ：「東京タワー」を通して、家族について感じたことは？

松さん：どんなことがあっても子は子、親の幸せは一生計れないが、健康であることが親孝行なのかなと。
一生答えが見つからないから生きてしか返せないものなのかなと思いました。


Ｑ：オトンに共感するところは多かった？

小林さん：（ほかのメインキャストが）オカンとボクですから‥親近感を抱くのはオトンしかない。
まぁ‥あんまり立派なオトンでは‥今日はほんとにオトンが来ていらっしゃるので＾＾；
‥世の中には金儲けの才能に優れている人とかいてもそういう人は1割くらい。
実際のオトンは分かりませんが、9割はこのオトンに近いんじゃないかと。
だから余計オトンを身近に感じたんだと思います。

小林さん、とにかく「ほんまもんのオトン」を気遣われてか、役としての「オトン」話にもなかなか突っ込んでは言及出来ず、かなり話しづらそうだったのがちょっぴり気の毒でした＾＾；

Ｑ：小林さんがオトンにとって一番大切なものはなんだと思いますか？

小林さん：えっ!?　それはわからないですけど、やっぱりオカンだったのではないかと‥（というニュアンスのことを）
也哉子さんと希林さんと一緒にやれたので、裕也さんと本木くんのことは非常に身近に感じられるようになりました。

会場は爆笑、樹木さんも笑っていらっしゃいます。


Ｑ：今日オダギリさんと寄り添っている様子を見て、オカンそのものに見えたが、自分ではどうでしょう。（という感じだったような‥）

樹木さん：「面白うて やがて哀しき栄子オカン」のはずだったんですが、苦しんでいる病院での部分が強すぎて、情けないけど、惨めだけど、可愛いくておかしい、その「面白うて」の部分が出せなくて、樹木希林としては、今、忸怩たる（じくじたる）思いで立っております。

この希林さんの言葉に思うところあった私は、この時希林さんしか見ていなかった気がするのですが、多分、舞台の上も、観客席もやや緊張した空気に包まれていたんでしょうか‥「シーンとしちゃうとあれなんですけど‥」という感じに言葉を繋いだ希林さん、この後、めちゃくちゃ面白い話をして下さいました。

樹木さん：実はね、この映画を一番ドキドキしながら不安になりながら待っていたのは、我が家の“時々、オトン”なんですね。
昨日FAXが来て「明日初日だろ！頑張れ！ロックンロール！！」って。（会場爆笑）
頑張れって言われてもねぇ‥舞台だったらともかく、映画は機械に組み込まれて回るものだし‥何を頑張れと‥（会場笑い）

樹木さん：「俺も一両日中にそっと観に行くからな！」ってね。
うちの派手なオトンがどうやってそっと観に行くのかと思うと、もう今日から布団を被ってるしかないなと（笑）。

Ｑ：今日（裕也さんも）来られているかもしれませんね。

樹木さん：そんなの、（会場を見渡して）見たらすぐわかります！＾＾；

会場は爆笑の渦。この瞬間は、ほぼ全員の方の頭に内田裕也さんの姿が浮かんでいたんじゃないかと‥（笑）


Ｑ：（お母さんの樹木希林さんについて聞かれて）

内田さん：見ての通りこういう母ですので、マイペースであまり構ってくれないというか、今回お話を頂いた時も相談したんですけど、「もう大人なんだし自分で決めなさい、してもしなくても私には何も影響はない」と素っ気無く言われました（笑）。
ただ、ま、安心というか、やっぱり遺伝子レベルでは繋がっているので、私がどうあがいてもなにが出来るわけでもなく、監督にもそのままでいいよと言ってもらいました。


Ｑ：樹木さんはどうですか？

樹木さん：私は（也哉子さんの）歩き方が私と違うなと思って、ちょっと関取みたいに歩くので、それをキャッチしました。（会場笑い）



その後、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」公開のこの日を『勝手に「オカンの日」』と決めたということで、日比谷花壇さんからみなさんに花束の贈呈が。
樹木さんは舞台挨拶中、こそこそっとスタッフに持って来させていた（多分ご自分の？）小さなカメラを手にし、合間に会場やキャストを撮影しています（笑）。
そして、カメラを手にしたまま、マスコミ撮影にも参加‥時折「マスコミ撮影返し（？）」をなさっていたりも（笑）。
撮影の際はオダギリの右隣りに立っていた樹木さん。
オダギリの右肩に左手を掛けて、肩に顔を寄せてポーズを取る樹木さん。途中からは腕を組んでみたりもしていますｖ
退場の際にも、ドアから出る直前、くるりと振り返り、後ろのオダギリをパチリ。オダギリ、苦笑い、でした（笑）。

もう画像等が出ているので省略しましたが、オダギリはまたまたワンピース系のドレッシーな衣装。
ベージュのワンピースのようなトップス＋白のピタピタパンツ＋可愛い系のブーツ。
とってもカワイかったですが、出てきた瞬間、両サイドだけ後ろでまとめた髪型が「ボク」のまんまに見えて、一瞬ドキッとしました(>_<)

ほんまもんのオトンが来ていたせいもあってか、後ろで手を組み、始終俯き気味だった小林さんに比べ、ずっと顔を上げて、凛とした微笑みを浮かべながら、会場を真っ直ぐに見渡していた樹木さん。
まるで本当のオトンとオカンのように、なんだか微笑ましいものがありました*＾＾*

（結構それらしく書いています!?が、今回は特にメモが追いつかず、実はかなり端折っている部分、自分で繋ぎ合わせている部分があります‥）